猫の視界

昨晩ウォーキングに出かけていた時の話。

突然、近所の家の玄関から1匹の猫が猛スピードで飛び出してきました。

飼い主さんが何度も名前を呼んで呼び戻そうとしますが、その猫は車の下に隠れて見つからないようにしています。

諦めた飼い主さんは「もう知らないよ!」と言って玄関の扉を閉めてしまいました。

よっぽど嫌なことでもあったのかな、と思いましたが、驚いたのは暗闇の中でも障害物を華麗に避けるその動きでした。

普通の人間が暗闇の中を走ったりしたら認識できないであろう障害物でも、全て認識したうえでスイスイと進んでいっているように見えました。

私が感心していたところ、その猫はこっそりと車の下から出てきて、玄関先で「中に入れろー!」と鳴いていましたから、ちょっとした出来心で外に出ちゃったみたいですね。

無事家の中に入れてもらえたので安心しました。

そこで今回は【猫の視界と人間の視界の違い】についてお話します。

猫は視力が悪い

人間が見ている世界と、猫が見ている世界は一緒ではありません。

猫の視力は人間の視力の10分の1程度しかなく、やや近視傾向と言われています。

また、猫は赤や緑といった色を認識しにくく、人間が感動するような色鮮やかな景色もくすんで見えています。

猫は人間のように眼鏡をかけるわけにはいかないので、猫の世界ではその程度で十分ということ。

最も鮮明に対象を見ることができる距離は、約75~80センチくらいと言われていて、これはちょうど獲物を追いかけているときのターゲットの最適な位置に当たります。

元々狩猟本能が備わっている為、狩りに特化していった結果、視力はそこまで必要なかったのかもしれませんね。

暗闇が得意

昨晩私が経験したように、猫は暗闇でもへっちゃら。

皆さんも夜間に猫を見かけることが多いのではないでしょうか。

猫の目には「タペタム」という部分があり、目の中に入ってきた光を反射して増幅させる、反射板の役割を果たしています。

暗闇で猫の目がキラリと光るのも、タペタムに光が反射しているからであり、ごくわずかな光があるだけでも、十分な視野が保てるのです。

亀の動きは止まって見える

人間の動体視力と猫の動体視力には明らかな違いがあることは皆さんもご存知ですよね。

人間には絶えず光を放っているように見えている蛍光灯は、猫の視界で言えば点滅しているように見えます。

反対に、亀の動きのようなゆっくりとした動きでも私たち人間は認識することができますが、猫は認識できません。

止まって見えているようです。

おもちゃで遊んであげる時でも、ゆっくりとした動きだと認識してくれないこともあるので、できるだけ素早く動かしてあげるとより楽しむことができるかもしれませんね。

 

猫は飼い主を視覚では判断していません。

嗅覚や聴覚で判断しているという実験結果もあります。

うまくコミュニケーションをとって、今後も良好な関係を築いていってくださいね!