愛猫と仲良くなってくると、だんだんと距離が縮まっていって…顔をスリスリし合う…。
そんな経験はありませんか?
猫が鼻と鼻をくっつけようとするのは信頼の証なので、喜ぶべきことでもありますよね♡
愛しのペットにキスをしたり、頬ずりをしたり…。
親しくなるとしてしまいがちですが、ちょっと待った!一旦思い留まってください!
猫の口元って…本当に綺麗だと思いますか?
実は猫から人間にうつる病気があるのは知っていますか?
そこで今回は【猫から人に感染する人獣共通感染症】についてお話します。
人獣共通感染症を正しく理解する
人獣共通感染症は「ズーノーシス」とも呼ばれる、「人→動物」「動物→人」のどちらにも可能性がある感染症です。
日本では約50種の人獣共通感染症(ズーノーシス)があることが知られています。
代表的な病名としてあげられるのが「狂犬病」や、「日本脳炎」、「鳥インフルエンザ」などです。
これらを聞くと「ペットには関係ないんじゃない?」と思われるかと思いますが、安心してはいけません。
猫の代表的な感染症としてあげられるのが「回虫症」です。
これは猫の寄生虫が人間にうつり、感染する病気です。
猫はグルーミングで自身の肛門付近を舐めたりします。
その際に回虫に感染していると、回虫の卵が口の周りについてしまうことがあります。
それに気づかずに飼い主が猫とキスをしてしまったり顔に接触したりすると…その回虫が寄生するという仕組みです。
人間に感染した場合、発熱や消化器系、呼吸器系の異常、さらには視覚障害も引き起こされる可能性があります。
戦後すぐの時代では、この回虫症が流行してよく知られていましたが、今は衛生的に安全になってきたのであまり聞かれなくなりました。
ただし、ペットから感染したという症例は今でも報告されています。
自然治癒できる病気ではありますが、まずは感染しないよう予防を徹底しましょう!
回虫症を予防するには回虫からペットを守る
回虫がいるかどうかは検便で分かります。
検便というと気が引けるかもしれませんが、猫の健康状態を知るには有効な手段なので年に1度、定期的に行うことをおススメします。
猫側の対策としては検便が有効ですが、飼い主側として気を付けるのは以下の点です。
- 猫と近づきすぎない
- 猫の口元に触れた場合、必ず除菌の上洗い流す
- 口移し等しない
- 食器を一緒に洗わない
回虫は私たちが予想する以上に強い生命力をもっています。
感染してしまうと体中を侵食していきます。
愛猫とのコミュニケーションはもちろん大切ですが、安心して関われるように日頃から衛生面には気を付けましょうね!