保護猫との出会い方は様々です。
一緒に過ごしていたら、1匹の猫にいくつもの物語が生まれる。
ねこしなでは、保護猫とのエピソードを中心にご紹介していきます。
よかったら、保護猫を飼う際の参考にしてくださいね。
最近段々と朝晩が冷え込んできましたね。
猫も少しでも暖かいところを求めて丸くなってるんじゃないでしょうか。
野良猫たちにとって、雨風雪がしのげて周りの危険に晒されることもなく、且つ暖かいところを見つけられたらとても幸運だと思います。
実際に、ある幸運な猫がいました。
今回は工場に住みついていた猫のお話です。
商品に猫の足跡…?
今回お話を伺ったのは、くろすけ君の飼い主さん。
くろすけ君は今年で13歳。
激しい遊びはしなくなりましたが、毎日ゆったりと飼い主さんと一緒に過ごしています。
保護したのはくろすけ君が生後約5~6カ月の頃。
出会いは会社の倉庫でした。
商品を出荷しようとした際、猫の足跡がついていることに気付きました。
従業員に話を聞いてみたところ、どうやら倉庫内で子猫に餌付けをしており、住みついている様子。
誰か保護できないかと話し合いになりました。
「元々猫を飼う気などなかったのですが、保護できる人がおらず、半ば押し付けられる形だったんですよ。」
と笑いながら話す飼い主さん。
黒のハチワレ猫であることから、くろすけ君と名付けられ、猫との暮らしがスタートしました。
家になかなか居つかない
くろすけ君はしばらく餌付けをされていたため、人慣れしていました。
なので捕獲にも暴れることなく、そのまま動物病院へ。
血液検査をし、回虫検査をし、その他健康診断を受けて帰宅。
何の病気も怪我も見当たらず一安心していました。
家に連れて帰っても、やはり元は野良猫。
くろすけ君はすぐに外に出たがりました。
ずっと過ごしていた外の世界から急に室内に生活に切り替わり、最初は落ち着きがなかったそうです。
飼い主さんも初めて猫を飼うことになったので、何もかもが不慣れ。
ですが、「自分の子供を育てるのと一緒だ」と感じ、一生懸命愛情をもって接しました。
その結果、徐々にくろすけ君も心を開き、外に出たがることはなくなりました。
今となっては、自分の居場所を認識できたからなのか、くろすけ君は玄関が開いていても外に出ることはないそうです。
便秘気味でワセリンや下剤は手離せない
初めての猫との暮らしにてんやわんやしながらも、楽しい日々を過ごしていたという飼い主さん。
しかし、数日一緒に過ごしていると便の回数が少ないのではないかと気づきました。
動物病院に相談してみたところ、くろすけ君は生まれつき骨格の問題で便秘気味だとわかりました。
それからというもの、今でもくろすけ君の餌には病院で処方してもらったワセリンや下剤を混ぜてあげないといけません。
「猫を飼うにはお金も手間もかかりますが、命ですからね。かかって当然です。くろすけ君はもう僕よりもおじいちゃんなので、ちゃんと最後まで面倒見てあげなきゃね。」
と、飼い主さんは満足そうに語ります。
突然の出会いではあったものの、現在では飼い主さんにとって居なくてはならない存在になったくろすけ君。
きっとくろすけ君にとっても飼い主さんは居なくてはならない存在だと思います。
お互いに愛し、愛されながら幸せな生活を送ってほしいですね。
取材させていただいた飼い主さん、ありがとうございました。