保護猫との出会い方は様々です。
一緒に過ごしていたら、1匹の猫にいくつもの物語が生まれる。
ねこしなでは、保護猫とのエピソードを中心にご紹介していきます。
よかったら、保護猫を飼う際の参考にしてくださいね。
秋ですね。段々と冬の支度を始めている方も多いのではないでしょうか。
秋といえば食欲の秋。読書の秋。趣味の秋。
趣味に没頭している時間は我を忘れて楽しんでしまいますよね。
楽しいことの後にはどこか寂しさや虚しさを感じる、そんな経験はありませんか?
あっという間に過ぎ去っていった癒しの時間をしみじみと実感している中、子猫の鳴き声が聞こえたら…普段よりもあなたの心に響くと思いませんか?
今回はダーツバーで保護された猫のお話です。
ダーツバーで遊んだ帰りに
今回お話を伺ったのは、ミミちゃんの飼い主さん。
ミミちゃんは今年で5歳のメス猫ちゃんです。
野良猫にも関わずとてもきれいな顔立ちをしていて、毛並みも整っています。
「ミミは母猫とはぐれたみたいで、ダーツバーの外でずっと鳴いていたんですよ。」
と、飼い主さんはミミちゃんとの出会いを話してくれました。
保護したのはミミちゃんが生後約2か月の頃。
出会いはダーツバーの外の路地でした。
ひとしきりダーツを楽しみ、飼い主さんが帰ろうとしていたとき。
「ミャァ、ミャァ…」とか弱い子猫の鳴き声が聞こえました。
その声の主を探すと、路地にうずくまっている子猫を発見しました。
おそらく親猫に1匹だけ置いていかれてしまったのでしょう。
飼われているような形跡は見当たりません。
もしかしたら親猫が迎えに来るかもしれない、と様子を見ていても一向に変化なし。
車通りも多いので、このままだと命に危険が及ぶかもしれない、そう思った飼い主さんはミミちゃんを抱き上げました。
すると抵抗することもなく、自分の腕の中におさまったのです。
これも何かの縁だな、と感じた飼い主さんはそのままミミちゃんを連れて動物病院に向かいました。
初めてのミルク
車の中で運転中も抵抗することなく、自分の膝の上で丸くなっているミミちゃん。
その光景は飼い主さんの心に今も深く刻まれているようです。
「甘えん坊のミミの誕生はここからでした」と飼い主さんは振り返ります。
発見当時、まだ体の小さかったミミちゃんを紙袋に入れて動物病院に向かいました。
診察の結果異常はなし。
「生後2カ月程度で、まだキャットフードは食べられません。ミルクを与えてください。」と獣医から説明を受けました。
(…ミルク!?)
飼い主さんは心の中で戸惑いました。
猫にミルクを与えるのは初めての経験だったからです。
母猫のようにミルクを与える必要があると言われ、診療後ホームセンターに直行。
そこで猫用の粉ミルクと哺乳瓶を購入しました。
人間の赤ちゃんにミルクを与えるように、人肌の温度まで温めてから与える日々。
大変ではあったものの、自分の作ったミルクをおいしそうに頬張る姿は愛しく、子育て経験のある飼い主さんは自分の子供を懐かしみながら与えていたと語ります。
元気でやんちゃなおてんば娘
無事授乳期間を終え、キャットフードに切り替わり、ミミちゃんはすくすくと成長していきました。
そして今一番困っているのは家具で爪とぎをしてしまうこと。
「ミミ1匹だけで家中の壁をボロボロにされてしまいました。何度張り替えてもキリがありません。」
と苦笑いしながら話す飼い主さん。
発見当時からの甘えん坊加減は今でも健在で、夜は一緒のベッドで寝てくれるところが憎めない!
夜中になるとお腹が減ったと鳴き、飼い主さんの顔に頭突きをしてくることも多いのだとか。
それでも飼い主さんの愛は変わりません。
元気でやんちゃで食いしん坊なミミちゃん。
これからも飼い主さんと幸せな日々を過ごしてほしいです。
取材させていただいた飼い主さん、ありがとうございました。