保護猫との出会い方は様々です。
一緒に過ごしていたら、1匹の猫にいくつもの物語が生まれる。
ねこしなでは、保護猫とのエピソードを中心にご紹介していきます。
よかったら、保護猫を飼う際の参考にしてくださいね。
人生の中で結婚したり、子供ができたりすると、伴ってくるのがお引越し。
あなたも経験があるかもしれません。
引越しの際の荷物の整理って結構大変ですよね。
猫と一緒に暮らしていると引越し作業は一段と大変になります。
まずは猫を安全なキャリーに入れて、キャットタワーの設備を解体して、餌等も整理して…。
そして引越しが完了すると、新居でまたキャットタワーを設置して、餌を準備して、猫をキャリーから出してあげて…。
手間も時間もかかるのは間違いありません。
ですが猫も大切な家族であり、たった一つの命です。
その認識があればきっと今回のようにはならなかったのですが…事件は起こってしまいました。
今回はとあるアパートで出会った猫のお話です。
近隣住民の引越し後に「あれ…?」
今回お話を伺ったのは、“ちゅう太くん”の飼い主さん。
今年で11歳のオス猫くんです。
ちゅう太くんを保護するに至るまでのエピソードを現在の飼い主さんにお伺いしました。
「ちゅう太は下の階に住んでいた人が引越しの時に置いてっちゃったみたいで…。正直『え!?』と思いました。」
と、飼い主さんは当時の出会いを話してくれました。
出会いはちゅう太くんが2歳の頃。
最初は「あ、下の階の人猫飼っているんだ」程度の認識しかなかったと飼い主さんは話します。
そして訪れた、下の階の住人の引越しの日。
引越し屋のトラックが出ていき、引越しは無事完了したかのように見えました。
しかし3日経った後、思わぬ事態に出くわしました。
なんと、下の階で飼われていたはずの猫がアパート周辺を徘徊しているのです。
線路際のアパート、道路は車通りもあります。
このまま徘徊していたら命の保証はありません。
「猫を飼ったことはないけれど、飼ってみたかったし…。よし、保護しよう!」と決意した飼い主さんがその猫に手を差し伸べました。
元々は飼い猫、すんなり現在の飼い主さんを受け入れました。
ここからがちゅう太くんとの生活の始まり。
思わぬ出会いから猫との暮らしがスタートしました。
置いていかれたのは去勢していなかったから?
ちゅう太くんを保護した飼い主さんは、さっそく動物病院へ連れていきました。
そこでわかったのがちゅう太くんが約2歳であることと、
特に大きな病気はないが去勢をされていないこと、でした。
2歳にもなって去勢されていないと、補助金等もおりず去勢手術の金額が全額自己負担になります。
(※市区町村によって違う場合はあります)
「もしかしてこの去勢手術をしていないことが、置いていかれた原因かもな…。と思いましたね。」
と飼い主さんは話します。
去勢手術をしていないちゅう太くんを家に連れてきて、一番困ったことは猫特有のマーキングでした。
本来発情期になるとマーキングをする習性がある猫。
ちゅう太くんも本能的に家中の壁をおしっこで汚し始めました。
家中の壁が黄色く変色し、強い臭いが残っていきます。
飼い主さんは慌ててちゅう太くんの去勢手術を行い、今ではそのようなこともなくなったそうです。
「これから猫を飼いたいと思っている方に何か伝えたいことはありますか?」
と、私からの問いかけに、飼い主さんは
「猫は人間と同じで生きていて、一つの命なんですよね。
物じゃないんです。要らなくなったから捨てる、なんてことは許されませんよね。
猫を飼うと決めたのであれば、命を懸けて一生涯育てる覚悟をしてほしいです。
命の大切さを知ってほしいと思います。」
と答えてくれました。
ペットショップ等で売られている動物たちを見ると値札が貼ってありますよね。
それを見て違和感を覚えるのは私だけでしょうか?
ペットはモノではありません。
本来であればその命に対して金額を付けるものではないと私は思っています。
大切な命だという認識をしてくれる人が一人でも増えてくれるといいですね。
取材させていただいた飼い主さん、ありがとうございました♡
取材協力