保護猫との出会い方は様々です。
一緒に過ごしていたら、1匹の猫にいくつもの物語が生まれる。
ねこしなでは、保護猫とのエピソードを中心にご紹介していきます。
よかったら、保護猫を飼う際の参考にしてくださいね。
私たち人間が1度に出産できる数は1~2人。
ですが猫は1度に子供を何匹も出産します。
あなたの飼い猫がもし妊娠して子供を産むとなったら…全ての子猫のお世話ができるでしょうか。
猫を飼うにはお金がかかります。
1匹あたりの生涯支出金は130万円以上とも言われており、例えば5匹だとしたら、その額はなんと650万円…。
最後まで面倒を見切れるでしょうか。
そこで今回お話するのは、動物病院で保護されていた猫と飼い主のお話です。
お父様が一目惚れ
今回お話を伺ったのは、“とらくん”の飼い主さん。
現在生後6か月になるオス猫くんです。
とらくんを保護するに至るまでのエピソードを現在の飼い主さんにお伺いしました。
「動物病院で里親探しをしている情報を得た父が、真っ先に動いて引き取りに向かったんです。」
と、飼い主さんは当時の出会いを話してくれました。
出会いはとらくんが生後1か月の頃。
とある動物病院で里親募集の広告が出されました。
『5/1生まれのキジトラの男の子。』
その広告に可愛らしい姿で写る子猫の姿。
その姿を見て一目惚れしてしまったお父様が即、動物病院に引き取りに向かったそうです。
幸い他の引き取り手も現れておらず、すんなりと引き取りの手続きを済ませて帰宅。
ここからとらくんとの生活が始まりました。
「元々猫を飼っていたので、1匹増えることに抵抗はなかったんですけど…。飼いたいと思って増えたわけではなく突然増えることになったので少しは戸惑いましたね。」
と飼い主さんは当時の様子を振り返ります。
まだ生まれて間もない子猫との生活。
最初のうちはキャットフードが食べられない為、ミルクを与えながらつきっきりで様子を見ていました。
家族で交代しながら力を合わせ、とらくんの成長を見守ってきたのです。
発熱時、どう対応したら…?
家に迎え入れて数日経った後も、とらくんは警戒心が強く、家具等のありとあらゆる隙間に身を隠していました。
このまま人間慣れしてくれないのかな、と心配していた飼い主さんですが、やっと生活に慣れてきたようで今では元気にはしゃぎ回っています。
ですが、とらくんと生活する中で思わぬ事態になったこともあるそうです。
「引き取って4カ月後ぐらいに突然発熱したんですよ。ぐったりしていてご飯も食べないし動かない。そんな状況の時、とても焦りました。かかりつけの病院とかもなかったので、どうしたらいいかわからなくて。」
と、飼い主さんは当時のことを話してくれました。
引き取って4カ月が経過したある日のこと。
いつも元気なとらくんが、ぐったりと横になっているのを発見しました。
水を与えても餌を与えても反応しない。
身体に触れてみると熱を帯びており、発熱していることがわかりました。
こんな時どうしたらいいのか、と家族全員が焦ったそうです。
しかし、少し経つとまた元気を取り戻し、何事もなかったかのように振る舞い始めました。
「人間の赤ちゃんと一緒で、子猫も体調を崩しやすいんですかね。初めて命の危険を感じました。
でもとりあえず何もなかったみたいなので安心していますが、油断は禁物ですよね。」
と飼い主さん。
とらくんへの愛情が伝わってきます。
「これから猫を飼いたいと思っている方に何か伝えたいことはありますか?」
と、私からの問いかけに、飼い主さんは
「『可愛い、可愛い』だけでは猫は飼えません。
人間と同じように言うことを聞かなかったり、病気になったりします。
自分の思い通りにならないから可愛くない、だから捨てる、といった飼い主が増えないことを祈ります。
飼うからには責任をもって、最後まで大切に育ててほしいです。」
と話してくれました。
子猫のうちは可愛くても、成猫になった途端に「可愛くなくなった」と言って野に放ってしまう人もいるようです。
どんな形であれ、飼い主になったのであれば、最後まで責任をもって大切な命を守ってほしいですね。
取材させていただいた飼い主さん、ありがとうございました♡
取材協力