保護猫との出会い方は様々です。
一緒に過ごしていたら、1匹の猫にいくつもの物語が生まれる。
ねこしなでは、保護猫とのエピソードを中心にご紹介していきます。
よかったら、保護猫を飼う際の参考にしてくださいね。
飼い主がいることを表す迷子札や首輪。
私たちもそれをもとに、飼われている猫なのか判断することがほとんどですね。
しかし、実際は首輪をしていても飼育放棄をされていたり、家から逃げ出してしまっている可能性があります。
今回お話するのは、汚れた首輪をつけた猫と飼い主のお話です。
家の前で怪我をしている猫を発見
今回お話を伺ったのは、“クロちゃん”の飼い主さん。
現在6歳になるメス猫ちゃんです。
クロちゃんを保護するに至るまでのエピソードを現在の飼い主さんにお伺いしました。
「家の前で目に怪我をし、血を流しているところを発見して。
病院に連れて行ってあげようとしたのですが、なかななか捕まらなかったんですよ。」
と、飼い主さんは当時の出会いを話してくれました。
出会いはクロちゃんが3歳の頃。
家の前で目から血を流しているクロちゃんを発見。
やせ細った体に、首元には色褪せて汚れた首輪がついていました。
しかし、飼い猫の割には人間に怯え寄り付こうとしません。
「捨てられた、もしくは飼育放棄されているからなのか、かなりの人間不信だな」と現在の飼い主さんは思ったそうです。
元々保護猫活動をしていた飼い主さんは、なんとか保護してあげようと試行錯誤をしてみましたが、すべて失敗。
知り合いの獣医さんに相談し、薬を少し混ぜた餌を用意し続けました。
すると、最初のうちは寄り付きもしなかったのですが数日経つにつれて徐々に餌を食べ始めたクロちゃん。
目の怪我も順調に治り、ようやく飼い主さんともコミュニケーションが取れるようになりました。
ここからクロちゃんとの生活が始まったのです。
家でじっとしていることはできない
保護したものの、野良猫生活が長いからかすぐに外に出たがるクロちゃん。
家でじっとしていることはないそうです。
「クロは自由に出入りさせてます。外に出ても人から害を受けないようにさくら耳にして。」
不妊手術済みの証であるさくら耳。
どうしても外に出たがるクロちゃんを家に閉じ込めることはできず、対策としてさくら耳を施したそうです。
さくら耳の猫は地域猫として扱われ、餌をあげること、飼い慣らすことを認められます。
しかし、中には「それでも野良猫」というだけで排除しようとする人もいるようです。
それに対して飼い主さんは
「外にいる猫たちは苦しい経験や辛い経験をしています。毎日がサバイバルですよ。
去勢・不妊手術を受けた猫は1代限りの命じゃないですか。
人間とは姿かたちは違っても、猫だって精一杯生きてる、いち生命です。
私たち人間ができることは、そういう猫の一生を暖かく見守ってあげることですかね。」
と話してくれました。
日本では猫たちの罪なき命が殺処分によって次々に奪われています。
全国に普及しつつあるTNR活動ですが、この活動を知らない、もしくは理解できない人もたくさんいます。
1つでも多くの命を守れるよう、保護猫活動、TNR活動を広めていきたいですね。
取材させていただいた飼い主さん、ありがとうございました♡