保護猫との出会い方は様々です。
一緒に過ごしていたら、1匹の猫にいくつもの物語が生まれる。
ねこしなでは、保護猫とのエピソードを中心にご紹介していきます。
よかったら、保護猫を飼う際の参考にしてくださいね。
地域で繁殖してしまった野良猫たち。
TNR活動は推進されているものの、警戒心の強い猫たちを保護することは簡単ではありません。
なかなか保護することができない間に、次々に新しい命が生まれる…。
自然の原理なので抗うことはできないのですが、せっかく生まれた命を粗末にしたくはないですよね。
今回お話するのは、地域猫にする予定だった子猫と飼い主のお話です。
無責任に餌付けされて、増え続ける命
今回お話を伺ったのは、“笑守ちゃん”の飼い主さん。
現在生後4年になるメス猫ちゃんです。
笑守ちゃんを保護するに至るまでのエピソードを現在の飼い主さんにお伺いしました。
「子猫が3匹散らばってたんです。母猫は警戒心が強くて近づけなくて。
ひとまず、子猫だけでも地域猫にしようと思い、手懐けることから始めました。」
と、飼い主さんは当時の出会いを話してくれました。
出会いは、笑守ちゃんが生後8カ月の頃。
子猫が3匹野放しになっているのを確認した飼い主さん。
近所の方が餌やりだけしているようで、去勢・避妊手術をされている様子はありませんでした。
野良猫に餌を与えること自体もちろん悪いことではないのですが、去勢・避妊手術をされていない猫たちは次々に繁殖してしまいます。
そして新しい命が生まれたとしても、寿命を全うできるとは限りません。
悲しい運命になってしまうこともあるでしょう。
野良猫の命を守るためにも、きちんと処置をしてあげたいと感じた飼い主さんはまずは猫を手懐け始めました。
見た目は子猫とはいえ、生まれたばかりではないので警戒心がすでに生まれています。
なかなか保護することができません。
それでもあきらめず、継続して手懐け続けました。
すると、数日経過したのちに、1匹だけようやく懐いてくれるようになり、タイミングを見計らい、保護に成功!
それが笑守ちゃんだったのです。
手早くキャリーケースに入れ、早速動物病院へ連れていきました。
おなかにはすでに新しい命が宿っていた
動物病院へ連れていき、いざ去勢・避妊手術をしてもらおうとすると、新たな事実が判明。
笑守ちゃんは妊娠していました。
手術後に「お腹に赤ちゃんが5匹いました」と獣医さんから聞かされた飼主さんは何とも言えない気持ちになったそうです。
お母さんになろうとしていた笑守ちゃんの子供たちを無理やり奪ってしまった。
去勢・避妊手術が間に合わなかったことへの残念な気持ち。
手術後の笑守ちゃんを見たときに、「このまま野に返すことはできない」と感じた飼い主さんは、そのまま笑守ちゃんを我が家に迎え入れることにしました。
こうして笑守ちゃんとの生活が始まったのです。
出会った当初は警戒心の強かった笑守ちゃんですが、
今となってはその警戒心も解け、飼い主さんにしっかり懐いています。
人間嫌いなところがあるにもかかわらず、
ご飯を食べるときには撫でられながら食べるのが癖になってしまっている甘えん坊さん。
これからも飼主さんからの愛情をいっぱい受けて、幸せな生活を送ってほしいですね♡
「これから保護猫を飼おうとしている方に何か伝えたいことはありますか?」
と、私の質問に
「これは勝手なイメージかもしれませんが、血統書付きの猫は飼いにくいと思います。
もともと他の猫との交流が少ないため、保護猫に比べて空気が読めない感じがしています。
保護猫の方がいろんな猫と一緒にいるので、交流の仕方もわかっていますし、みんなと仲良くしようとしているように思えるんですよ。
初めて飼う方も、多頭飼いしようとしている方にもお勧めしたいのは保護猫ですね。」
と話してくれました。
猫に餌をあげたくなる気持ちはわかります。
助けてあげたい気持ちもとてもよくわかります。
ですが、去勢・避妊手術をされていない猫に関しては殺処分の対象になる可能性があります。
手術にはもちろんお金がかかります。
餌を与えたいと思うのであれば、自分の家に迎え入れる覚悟、もしくは去勢・避妊手術を施す経済力もセットで考えた方がいいのではないでしょうか。
取材させていただいた飼い主さん、ありがとうございました♡